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2011年10月15日土曜日

オバマ政権は何か約束を果たしたっけ?

オバマ大統領の公約である国民皆保険制度(通称オバマケア)の実現が微妙になってきた。

WaPo: White House eliminates insurance program for long-term care

→長期治療を対象にした保険制度の設立をオバマ政権が断念しましたよ、というお話。

断念された法案はCLASS(Community Living Assistance Services)と呼ばれる制度で、病気や障害を抱えた患者に一日$50以上が給付されるはずだった。だが、オバマ政権はこの制度が「機能しない(Simply unworkable)」と判断し、撤回。

そもそも一日$50を給付し続けるには、このCLASSプログラムに参加するための掛金を高額に設定する必要がある。そんな制度に応募できる人がどれくらいいるのか、というお話。税金で補填しない以上、この国では国民皆保険制度は無理。そして国家財政は非常に厳しいので税金補填も無理。

つまりはオバマケアの実現も相当厳しい状況であろう。

で、今の大統領って何か公約を一つでも実現しましたっけ??

2011年6月5日日曜日

こんなNPOには寄付したくない

Nonprofit Organization (NPO)という分類の組織がある。Wikipediaによれば
an organization that does not distribute its surplus funds to owners or shareholders, but instead uses them to help pursue its goals.
と定義されている。「利益を組織の保有者達に還元せず、その組織の目標達成のために消費する」ということ。ガン撲滅を目標に掲げるNPOなら、ガン治療のための研究に寄付する。

と、俺は思っていたわけよ。つい先日までは

で、先日のTime記事。Check Your Charity!という題名で、この手の慈善団体の財務状況を斬っている。登場人物が多すぎてややこしいけど...

  • Walker Cancer Research Insituteという団体は、2009年に1270万ドルの資金を集めた。が、ガン研究に回されたのは$487,505で、これは収入の4%に過ぎない。そして52%は募金活動の運転資金に使われている。ダイレクトメールや宣伝活動。ちなみに同団体は配下のNational Cancer Research CenterやNational Breast Cancer Research Centerなどの名前を使って募金活動をしている。
  • カリフォルニアのフリーモントに本拠地を置くOptimal Medical Foundation Incは、2009年に530万ドルの資金を集めたが、目的とする研究活動には一銭も回せていない。ここはNational Charity for Cancer Researchという配下団体を使って募金活動をしている。
  • 子供達に熊のぬいぐるみを送る活動で有名なCCRF(Children's Cancer Research Fund)が2009年にミネソタ大に寄付した額は270万ドル。だが、熊のぬいぐるみ送付などの運転資金に980万ドルを費やしている。
こういう団体は他にもたくさんある、と記事では指摘されている。NPOデータベースで「Cancer」を検索すると、7747の団体が登録されているという。そして米国民がNPOに寄付する額は...年間3000億ドル。ざっくり24兆円だ。


The cost of badly managed cancer charities isn't just wasted money. People are dying while these outfits mishandle funds that could go toward care.

良かれと思って作られた団体ではあっても、寄付されたお金が本来の目的に使われないのは無駄であるし、この間にもガン治療を受けられずに死んでいく人達は多数いるわけだ。

慈善団体が設立される理由はいろいろあるだろうが、設立のハードルが低いためにたくさんの団体が生み出される。結果、各団体の「パイ」が小さくなってしまう一方で、資金集めのための宣伝やら「おまけ」やらで運転費用が増えてしまう、というのが根本的問題らしい。

紹介した記事では、この問題を克服しようとしている団体も紹介されている。Susan G. Komen for the Cureという団体は3億ドルの資金を保有しているが、10年以内に効果が期待される研究に支援を絞っているという。また、ベンチャ企業支援と同様な活動で成果を上げているFasterCureなども同記事では紹介されている。


The one thing that isn't likely to change is our generosity. People will spend lots of time and money trying to snuff out a leading cause of death. But they will have to eliminate some organizations to achieve the best results. That may be harsh. So is cancer.


だが、お金を寄付しようとする我々の「気前よさ」はそう簡単には変わらないだろう、とも同記事は指摘している。人は死を回避するためにはお金と時間に糸目をつけないものらしい。だが、本当にガン治療研究を進めたいのであれば、まずは紹介されているような「慈善団体」を退場させることが必要だ。でも、善意で作られた団体を潰すのは中々簡単ではない。ガン治療と同様に。


気になったので、Lance Armstrong Foundationを調べてみた。ここもガン研究への寄付が目的だったはず。Better Business Bureauサイトに2008年の数字が公開されている。
  • 収入の部...$30,031,585
  • 支出の部
    • Program(本来の目的)...$27,514,111 (81%)
    • Fund Raising Expense(経費)...$4,190,835(12%)
    • Administrative(人件費)...$2,379,503(7%)
ということで、そんなに悪くないのでは。CEOの報酬は$257,774だけど、これだけの資金を動かしているのなら文句はいえんでしょ。



2011年4月22日金曜日

線量限度の被ばくで発がん 国際調査で結論

なんかこの数日、47Newsによる2005年6月30日の記事がTwitterで出回っている。引用すると:
放射線被ばくは低線量でも発がんリスクがあり、職業上の被ばく線量限度である5年間で100ミリシーベルトの被ばくでも約1%の人が放射線に起因するがんになるとの報告書を、米科学アカデミーが世界の最新データを基に30日までにまとめた。報告書は「被ばくには、これ以下なら安全」と言える量はないと指摘。国際がん研究機関などが日本を含む15カ国の原発作業員を対象にした調査でも、線量限度以内の低線量被ばくで、がん死の危険が高まることが判明した。  低線量被ばくの人体への影響をめぐっては「一定量までなら害はない」との主張や「ごく低線量の被ばくは免疫を強め、健康のためになる」との説もあった。報告書はこれらの説を否定、低線量でも発がんリスクはあると結論づけた。
で、この「米科学アカデミーが世界の最新データを基に30日までにまとめた」報告はなんだろうと探してみた。Amazonで紙版が$49.99。Google Booksに一部がスキャンされて登録されているが、電子版はないようだ。

Health Risks from Exposure to Low Levels of Ionizing Radiation: BEIR VII Phase 2. National Academies Press. 2006. ISBN 978-0-309-09156-5. Retrieved 2010-01-27.
The possibility that low doses of radiation may have beneficial effects (a phenomenon often referred to as “hormesis”) has been the subject of considerable debate. Evidence for hormetic effects was reviewed, with emphasis on material published since the 1990 BEIR V study on the health effects of exposure to low levels of ionizing radiation. Although examples of apparent stimulatory or protective effects can be found in cellular and animal biology, the preponderance of available experimental information does not support the contention that low levels of ionizing radiation have a beneficial effect. The mechanism of any such possible effect remains obscure. At this time, the assumption that any stimulatory hormetic effects from low doses of ionizing radiation will have a significant health benefit to humans that exceeds potential detrimental effects from radiation exposure at the same dose is unwarranted.下線強調はmasayangによる。
Wikipediaに引用されている部分を見る限り『放射線ホルメシスの「微量の放射線被曝は、人体に良い効果をもたらす(例: 癌を予防する、とか)」という主張は確認できない』ということであって、47Newsの表現はずれているんじゃないかな。

2011年4月21日木曜日

胎児と農薬と知能指数

さっきテレビのニュースで流れてた。実際のところはどうなんでしょ。

ABC News: Pesticide exposure in womb may hurt your child's IQ
BIRMINGHAM, Ala. (CBS) -Prenatal exposure to pesticides can have a direct effect on your child's IQ.

Researchers at Berkeley followed more than 300 childrenfrom before they were born until they were 7. They found that a tenfold increase in pesticide exposure during pregnancy translated into a 5 and a half point drop in the child's IQ scores.

Researchers recommend limiting home use of pesticides, thoroughly washing fruits and vegetables and buying organic food.
妊娠中に農薬を体内に取り込むと、生まれてくる子供の知能指数が低下する可能性がある、という調査結果が発表されたそうな。で、どうやら下の発表がそれらしい。

  • 4月21日にEnvironmental Health Perspectivesで発表される論文の概要。
  • 妊婦が体内に取り込む有機りん系農薬の量と、生まれてくる子供の知能指数の間に関連が見られる、という。
妊婦は野菜をよく洗って食べるか、有機栽培のものを選ぶように、だそうな。