2017年9月7日木曜日

サンフランシスコ~シリコンバレーベイエリアから日本企業が学ぶべきたった一つの真実

すいません。タイトルは意識高い人をひっかけるための釣りです。中身はタダの与太話ですから安心してください。

サンフランシスコ~シリコンバレーベイエリアへの日本企業進出に加速がついてから久しいですが、自分の周りを観察する限りではその勢いはまだまだ続きそうです。そして実際にオフィスを探したり、あるいは駐在社員の住居を決めたりする過程で冷たい現実に突き当たる例も割とよく見かけます。

それは日本が失われた20年で忘れていた「インフレ」という現象です。

まずはこのチャートを見てください。ソースはhttps://medium.com/@mccannatron/1979-to-2015-average-rent-in-san-francisco-33aaea22de0eです。
1979年から2015年までのサンフランシスコにおける2Bedアパートの家賃です。インフレ調整済ですが、2010年から2015年の間に実に80%上昇しています。もちろんこれはドルベースでみているわけですが、円建てで見るともっともっとすごいことになります。ざっと2倍かそれ以上になってる計算です。

「それはサンフランシスコという特殊な地域だけだろう」と思われるかもしれませんが、事態はそれほど甘くありません。次に範囲を広げて家賃を見てみましょう。これは私が6月に作成したものです。家賃のソースはTruliaで平均値ではなく中間値。家賃だけで見るのは不公平なので「オフィスをパロアルトに借りた場合の通勤費用込み」で比較できるようにしました。
通勤費用はIRS(日本の国税庁に相当)が認めている通勤時のガソリン控除額を元に算出しています。1マイルあたり$0.54です。

実は家賃が最も高いのはパロアルトで、中間値が$5800。サウスベイやイーストベイに行けば多少家賃は下がりますが、通勤費用がかさんだり、渋滞によるQOL低下などが待っています。目に見えてコストを下げられるのは地の果てTracyかその向こう側になりますが、毎日5時間程度渋滞路の中で人生を過ごすことになります。

もちろん、頑張って探せば家賃の低い物件もあるでしょう。ただしそれらは申し込みが殺到しますから出向社員の引っ越しタイミングでどんぴしゃり借りられる保証はないです。つまり、家賃と通勤費用だけで毎月$4000~$5000は消えていく運命にあると思ったほうがいいです。

さらに...

単身赴任ではなく、家族帯同で出向したり、あるいは現地でお子さんが生まれたりするケースも考慮する必要があります。日本でいう保育園や幼稚園にお子さんを預ける場合は「ミルク飲ませて昼寝させる程度のサービス」でも月々$2500程度を覚悟しないといけません。

小中に関しては公立なら基本的に無料ですが、日本の補習校やら習い事に通わせるのであればそれなりに費用が発生します。ケーブルテレビやインターネットも日本に比べるとかなり高いですし、携帯も家族分持たせればそれなりの値段になります。

等などまとめると、「家族二人・車は1台」の状態で月額$8650程度が必要最小限のコストではないかと。もちろん、食っていかないと人間死にますから食費がかかってきますし、郊外に住むのなら二台めの車も用意しないといけないでしょう。


こうして考えると年収10万ドルでは全く足らず、15万ドルでもカツカツ。おそらく米国駐在で資産を切り崩していくことになります。社員を大事にしたいのなら税引き後に家賃の3倍くらい残る給料を払うべきでしょう。

「それじゃ高すぎる」と思う経営者もいるかもしれませんが、この「なんでもかんでも高い」のはITとその活用イノベーションが経済をけん引してきた結果です。そのITイノベーションを学びにシリコンバレーに人を送るのであれば「高い」などと文句を垂れている場合ではありません。むしろ日本でもこのようなインフレを起こすくらいの勢いでIT人材育成と技術移転を頑張ってほしいと思う次第です。

0 件のコメント:

コメントを投稿