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2017年9月7日木曜日

おまいらの大好きなオバマが残した違憲状態をおまいらの大嫌いなトランプが解消しようとしておまいらがブチ切れてる滑稽さ

トランプ大統領によるオバマケア廃止は「代替案が決まらない」という理由で難航していますが、一方でDACA(Deferred Action for Childhood Arrivals)は「即日受付停止。現行の受益者は一定期間の延長を認める。半年以内に議会は代替案を定めること」と宣言し、事実上の廃止が決まっています。

これに対し米国主要メディアは「非人道的」「トランプ許すまじ」という論調で批判し、呼応する形で市民団体も騒いでいます。共和党の一部ですら「DACA廃止を見直すよう」トランプ大統領に進言したくらいです。

でも現実のところトランプ大統領はそんなに悪いことをしているのでしょうか?

National Review誌の上級編集委員Ramesh Ponnuru氏が割と鋭い指摘を公開していました。To End DACA, Follow the Constitutionという題名の記事です。「DACAを終焉させるために憲法を順守せよ」とでも訳せましょうか。

Ponnuru氏の指摘は明快で、オバマ大統領が発令したDACAは「大統領の権限を逸脱した違憲な措置」と断じています。もちろんオバマ大統領は「DACAを議会で承認してね」と議会に法案作成を依頼したわけですが、共和党の反対により法案は通りませんでした。それを跳ねのけて大統領令としてDACAが始まった経緯があります。共和党が支配している州はDACAを違憲として裁判を起こし、判断は連邦最高裁まで持ち越されて時間切れという状態です。

トランプが本当に無慈悲な独裁者ならオバマ同様の大統領権限で即日DACAを廃止し、米国滞在権利を失った子供たちを即日「母国」に送り返すこともできたはずです。だが実際にはそんなことはせず、一定の猶予期間を設けた上で「議会に代替案を作成するよう」指示を出したわけです。彼のやったことはオバマ大統領が残した違憲状態の解消であり、あとは民主主義に委ねられたわけであります。

と、ここまで書いたところで良いTweetが流れてきたので貼っておきます。

DACA廃止に反対するデモ行進をしてる人たちは天に向かって唾を吐いてることを自覚するべきでしょう。

2011年12月8日木曜日

歯医者にみる景気の腰の弱さ

今日は半年に一度の歯科検診。特に異常はなし。

ただ歯医者さんは色々大変なようで。理由は簡単。歯医者に通う患者が減っている。その理由は経済的なもので

  • 雇用を失って、必然的に歯科医保険も解除された
  • 雇用は維持されているが、雇用元が歯科医保険を削ったために歯医者に通いにくくなった
  • 職は見つけたが正規雇用ではないので歯科医保険がない or あまりカバーされない
等々らしい。そして歯は虫歯が極端に悪化したとか、親知らずがヤバくて待ったなしとか、そういう事態でなければ「我慢する」ことができる。なので歯医者というのは真っ先に節約対象となる出費なんだそうな。ちなみにこの資料によれば、米国民が一年に使う歯科治療費は1000億ドルにはちょっと届かない程度。これは2005年の話で、自分が通う歯医者さんはいつも忙しかった頃。

昨今、ベイエリアの高速道路は交通量も増え、朝夕の渋滞が激しくなっているが、景気回復にはまだまだ至ってないようで。

2011年11月26日土曜日

アメリカ経済は安泰

感謝祭翌日のいわゆる「ブラックフライデー」で起きた事件をAPが伝えている。

Los Angelesでは...
Walmartで安売りのXboxに殺到した客の一人の女性がペッパースプレーを噴霧。ペッパースプレーで動けなくなった所で彼女はXboxを手に入れ、現場から逃走。→全国ニュースになり、本人が警察に自首。


サンフランシスコにほど近いSan Leandroでは...
Walmartで買い物を済ませて駐車場に戻ってきた一家が、数人の男たちに囲まれ、買ったものを渡すよう要求された。一家が拒絶すると男たちは発砲し、逃走。撃たれた一人は重体だが命は取りとめた模様。

アリゾナ州Phoenixでは...
やはりWalmartで万引きしたとされる54歳男性が警官にボコボコにされた場面がYouTubeに公開され、警察はやりすぎじゃねーのと批判されている。(下の動画)この男性は万引きしたことを否定しているという。

なんでここまでして買い物したがるんだかねーこの国の人達は...

2011年11月23日水曜日

要は税金の無駄遣い

Occupy San Franciscoに参加している人はテント住まい。トイレは仮設のを使えばいいが、シャワーはどうしているか?

こんな感じ

Rick Barkesdale and his girlfriend Sheryl Solomon came from Colorado Springs to join Occupy SF. Bakersdale says he joined the movement because it "absorbed" him. 
The two say they are willing to stay with the movement no matter how long it takes, even though dealing with so many different personalities can be "very tiring." On Monday, they took a shower in a homeless shelter nearby.
→コロラドからわざわざやってきて、サンフランシスコのホームレスシェルターのシャワーを使うわけですな。ただこの人達はシャワーを使おうとする気持ちがあるだけまだ清潔な方で...

San Francisco Officials Fear Disease Will Spread At Occupy Encampmentという記事によれば

  • ノミ・シラミの繁殖
  • パルボウイルス感染症(犬や猫の病気)
が確認されているという。要は疫病が流行りやすい状況ということ。それはそれで困った話なので市が税金を投入して清掃やら消毒やらシャワー提供やらしないといかんということ。そしてツケは地元住民に回ってくる。本当に腹が立つのぉ。

2011年11月19日土曜日

こいつらに仕事が無いのはウォール街のせいでも政治のせいでもなく、本人達の資質そのものによるのではなかろうか

昨日の「Occupyなんちゃらの連中は地元に戻って働いてください。メキシカンがやってる仕事くらいは奪えるでしょう。」の続き。

やはりPeople Behaving Badlyから。

昨日も書いたとおり、サンフランシスコはOccupy SFを「条件付き黙認」している状態。原則テントのみ。家具や調理器具は持ち込み禁止。ゴミ類は時々市当局がやってきて回収する。そして上の動画では「落書きされたドア」をめぐってOccupy SFの面々と市当局、そして取材しているKOFYの人達が衝突。

結局はOccupy側が勝ち、この「落書きされたドア」は引き続きOccupiedとなるわけだが、なんだろうかこの人達は。叫ぶ。奇声を上げる。罵声を浴びせる。これくらいのことしかできない。

これじゃ仕事が無いのも当然だろ。それをウォール街のせいにしてはいけない。

ちなみにドアには Fuck You! と書かれていたそうである。放送できないのでモザイクかかってる。

2011年11月18日金曜日

Occupyなんちゃらの連中は地元に戻って働いてください。メキシカンがやってる仕事くらいは奪えるでしょう。

サンフランシスコ市は本来路上生活は禁止されているが、昨今のOccupyなんちゃら運動に対しては
  • 区域限定
  • 調理禁止
  • 酒類持ち込みや飲酒禁止
  • テント以外の持ち込み禁止
などの規則を設けて事実上黙認をしている。下の動画は地元局KOFYの取材による「People Behaving Badly」シリーズ。上記の規則がいかに無視されているかがわかる。すごいのは大麻を育て、吸っているやつとか。(笑) でも、こういう人がウロウロしている地域には子供連れて買い物や食事しに行く気になれないよね。



動画の終わりの方に移動式簡易トイレが映るけど、その費用はすべて市が負担している。つまり税金。だが無制限に簡易トイレの設置をすることもできないから、やがては溢れる。溢れるとそのトイレは使用不可に。するとどうなるか...


商業ビルのトイレを使うわけである。それだけではない。そのビルにあるものを盗む。椅子、iPad、携帯、食糧、アイスクリーム...

次はオークランド。
 
犬禁止の公園に犬を連れ込む、というのも問題だけど、この「Occupy」の人達は実は地元民ではないのね。ベルリンとか、すごく遠いところから来ている。問題は...この人達が地元オークランドのホームレス施設やその予算を使いきってしまうこと。

そして、この動画には出てないが、彼らは地元経済にはほとんどお金を落とさない。しわ寄せはただでさえ苦しいオークランド地元住民にやってくる、と。

こんなクソ運動を支持している皆さん本当にありがとうございました。

2011年11月11日金曜日

不条理な米国インターネット事情

SpeedTestというアプリケーションを使ってネットワークのスループットを測定。

会社のネットワーク経由...1.45M

会社からT-MobileのHSPA+...5.25M

家からAT&T U-Verseのケーブル接続...2.66M

家からT-MobileのHSPA+...5.7M

→携帯接続よりも会社や家のネットワークのほうが遅いとかおかしいだろ。

2011年11月4日金曜日

太陽電池終了のお知らせ(再

今度はサンノゼのSolarPower社。

SJ Mercury: Sunpower reports huge loss

→需要減少に伴い四半期赤字は370万ドルに拡大。しかも連邦政府(=我々納税者)から12億ドルの借入をしている。

2011年11月3日木曜日

1%対99%という構図ではない

Occupy Wall Streetの流れを受けて全米各地で抗議運動が起きているが、当地カリフォルニアはオークランド市はその中でも最も先鋭化してしまった、と言ってよいだろう。昨日はOccupy Oaklandがゼネストを呼びかけ、デモ隊はオークランド港を封鎖。夜になり、一部がオークランド市街に戻り暴徒化。下記動画はその様子。

米国で前回ゼネストが行われたのは1946年。場所は奇しくもオークランド。65年ぶりのゼネストは残念ながら平和的には終わらなかった。夜が明けると...破壊と落書きだらけ。こちらの写真集も良かったら見ておくれ。

どうやら破壊活動を行ったのはOccupy Oaklandに便乗した活動家らしいが、そもそもの運動を呼びかけたOccupy Wall Streetの人達は重要な判断を下す必要がある。それは「1%対その他99%」の構図で行くのか、それとも「99%の中から急進派を排除するのか」という決断。

もし前者で行くのであれば、今後もこういった破壊活動が起きる都度Occupy運動は支持者を失うはず。

後者で行くのであれば、何を目指すのかという「運動の目的」を明確にする必要がある。99%という烏合の衆を目指したから急進派が合流する隙を生んだのであるから、もう一度存在目的から見なおさないといかんだろう。その場合、「1% vs 99%」という看板も捨てることになる。「俺達は99%だーーーー」という叫びも当然通用しなくなるだろう。

ま、「もちっと大人になれ」ってことだよね。

2011年11月2日水曜日

Occupy Oaklandの様子

基本的に平和裏にデモが続いているという話だったが、これは酷い。やられているのはWholefoods。


View more videos at: http://nbcbayarea.com.

昼間でこの調子なんだから、日が暮れたらどうなることやら...

2011年11月1日火曜日

ゼネストを呼びかけるOccupy Oakland

SFGate: Occupy Oakland: City braces for general strike
→オキュパイな人たちがゼネストを呼びかけていますよ、というお話。

Oakland市庁舎近辺でピケを張ってる草の根グループOccupy Oaklandにいくつかの労組が同調して、明日2日水曜日のゼネストを呼びかけている。指導者不在の同グループだが、今のところ市内の大手銀行Wells Fargo近辺で抗議集会を行なってから、オークランド港まで更新して港の労組に合流する、というものらしい。平和裏に進めば、ね。

呼び掛けに対する反応はまちまちで

  • 店を閉めるという地元商店
  • 通常通り営業するという商店
  • 参加表明した労組
  • 不参加表明した労組...教員組合は不参加→学生の勉強妨げるわけにはいかんからな
注目したいのは槍玉に挙げられているWells Fargoで「平常通り営業する」と宣言している。ん〜これで平和裏に一日が終わればOccupy Oaklandの人達もなかなかやるな、と思えるのだが。

2011年10月28日金曜日

Sex Offender Tracker App

ハロウィンの週末がやってきた。どういう歴史的背景があるのかしらないが、子供達は夜になると近所を徘徊して各家庭を回り、飴やチョコレートなどのお菓子をせびるという風習なのである。昔はそういうほのぼのとした光景を隣近所の皆さんが楽しむものだったのかもしれないが、もはやそういう時代ではない。悪い大人はどこにいるかわからないのだ。

そこでSex Offender Trackerですよ。

これはiPhoneやAndroidで動くアプリケーションで、National Sex Offenderデータベースに登録された性犯罪経歴者の居場所を知ることができる。まずは地図モード。我が家の近隣6.2mile(約10km)以内には75人の性犯罪経歴者がいることがわかる。

次は拡張現実(AR)モード。これは携帯をかざした方向に住んでいる性犯罪経歴者の所在と住所氏名、顔、犯した犯罪の内容が表示されるという代物。
今回は家の中で試したが、例えば商店街でこれをかざせば、向こうから歩いてくる性犯罪経歴者もすぐにわかる、というわけだ。

で、こんなアプリケーション持たせてまで飴やチョコをもらいに行かせる意味あるんかね?

2011年10月26日水曜日

大衆迎合主義の大統領 vs 辛口な自由主義候補

Occupy Wall Streetで始まった金融機関への抗議行動は、「教育費が高い」という形でオバマ政権への批判にもつながっている。その火の粉を振り払うためなのか、オバマ大統領は「学費ローン返済救済案」を持ちだしてきた。実は下記のような救済案は既に下院を通過している:

  • 返済額上限を、収入の15%とする
  • 返済開始後25年経過したら、返済残はチャラとなる
  • この救済案は2014年より導入される
この度明らかになったオバマ大統領案は↓:

  • 返済額上限を、収入の10%とする
  • 返済開始後20年経過したら、返済残はチャラとなる
  • この救済案は2012年より導入される
大盤振る舞いもさることながら、「2012年から」というのがいかにも次期大統領選挙を意識しまくり。


仮にこんな救済案が現実になれば...

  • 学費ローンを借りる側は真面目に返済することを考えなくなる
  • すなわち、学費が値上げされても「借りればいい」と思うようになる
  • 大学側はそこにつけこんでどんどん学費を上げる
  • やがて返済免除額が積み上がってこの仕組みは破綻する
  • ツケは将来の納税者に


もちろん、この案がそのまま法律になるわけではない。大統領は法律を作れないから、この案を元に法律を作ってください、と議会に頼む必要がある。その議会はあちこちで共和党が邪魔するから、そう簡単には可決されないだろう。

とはいうものの、人気取りのためにこんなクズ政策を持ち出すようではオバマ大統領ももうダメなのではなかろうか。

一方で...共和党で大統領選出馬表明をしてるロン・ポール氏は一味違う対案を出してきている。実に単純で

  • 連邦政府による奨学ローンなどやめてしまえ
というもの。上にも書いたように「低金利で資金を貸すから大学が学費を上げやすくなる」わけである。これは住宅におけるサブプライムローンと同じ構造だ。ならばそう簡単にみんなが大学に行けないようにすればよい。そうすれば大学は少なくなった学生を呼び込むために学費を下げる等の工夫をせざるを得ない。競争原理だ。

そのロン・ポール氏の学歴は:

  • ペンシルバニア州のGettysburg College(単科大学)を卒業
  • 一旦、就職
  • Duke University School of Medicineで薬学の学位を取得

となっている。当時は政府の就学ローンなどなかったので学費を稼ぐために一旦働かざるを得なかった。だが、学費もそれほど高くはなかったので、働けばなんとかなった、ということ。

参考にした記事:

2011年10月16日日曜日

良くない雰囲気

Occupy Wall Streetという流れで発生した各地の抗議行動だが、なんか「現状の不満をぶち上げるだけ」という雰囲気になってないか?

動画はロスアンゼルスの抗議行動でインタビューに答える教員組合員=オバマ支持者
「米国の金融システムを牛耳るユダヤ人共はこの国から追放されるべきだ」

これ、マジに語っているのならOccupyなんちゃら、という運動は階級闘争ではなく、単なる人種間紛争になりかねない。みんな落ち着けっての。

2011年10月15日土曜日

オバマ政権は何か約束を果たしたっけ?

オバマ大統領の公約である国民皆保険制度(通称オバマケア)の実現が微妙になってきた。

WaPo: White House eliminates insurance program for long-term care

→長期治療を対象にした保険制度の設立をオバマ政権が断念しましたよ、というお話。

断念された法案はCLASS(Community Living Assistance Services)と呼ばれる制度で、病気や障害を抱えた患者に一日$50以上が給付されるはずだった。だが、オバマ政権はこの制度が「機能しない(Simply unworkable)」と判断し、撤回。

そもそも一日$50を給付し続けるには、このCLASSプログラムに参加するための掛金を高額に設定する必要がある。そんな制度に応募できる人がどれくらいいるのか、というお話。税金で補填しない以上、この国では国民皆保険制度は無理。そして国家財政は非常に厳しいので税金補填も無理。

つまりはオバマケアの実現も相当厳しい状況であろう。

で、今の大統領って何か公約を一つでも実現しましたっけ??

サンマテオ郡のForeclosure状況

Examiner: Foreclosure crisis lingering in San Mateo County housing market

→サンマテオ郡は他地域に比べるとForeclosure物件の消化が遅く、住宅市場の落ち込みが長期化しそうだ、という話。7月時点でのREO(銀行保有物件)は1万件

2011年10月6日木曜日

Wall Streetに抗議するなら...

ウォール街占領デモは日本でも報道されているはずだけど、その参加者が語っている「抗議」の中には

  • 就学ローンを借りて大学出たのに仕事が無い。
  • 就学ローンを借りて大学出たのに負債返せるような給料の仕事につけない。
  • 高校ドロップアウトした17歳シングルマザーだけど仕事が無い。
みたいな、「それ、ウォール街じゃなくておまえの判断が悪いだけやろ」みたいなのが結構混じっていて、そういうのをテレビで取り上げるたびに「なんだかなー」という白けた気分になってしまう。お茶会のデモと大して変わらんじゃろこれじゃ。

納税者なら、こんな話に抗議するべきではないだろうか。→House of Cronies: Is Freddie Mac Incompetent or Corrupt?


  • CountryWideがFreddie Macに売ったモーゲージ債の多くが不良化した。
  • Freddieは不良率の高いモーゲージ債によって生じた損害を発行元に請求できる。
  • 結果、CountryWideを吸収合併したバンカメが損害分をかぶるになったのだが...
But proving that hundreds of thousands of loans were defective was a lot of work. Freddie only reviewed some of them, relying on a poor methodology that dramatically underestimated the number of defective mortgages. This increased losses to Freddie Mac -- losses that will eventually fall to Treasury and taxpayers.


→そのモーゲージ債を構成する78万件という住宅ローンを精査するのは負荷がかかるので「抜き取り検査で」買取請求価格を算定することになった。

  • CountryWide発行のローンの多くは返済開始後3-5年目で破綻確率が最高になる。
  • だが、Freddie Macが抜き取り検査したのは二年目以内が中心。
  • 結果、見かけ上の不良率が低下。損失見通しも下がったため、バンカメの支払額は低く抑えられた。
全件検査しなくても、適切な抜き取り検査をしていたらFreddie Macの回収分は数十億ドル増えたはずだ、ということがその後の監査で発覚している。その分、財務省=納税者にツケが回ったわけである。

この検査の偏りがなぜ生じたのかは不明だが、ウォール街を叩くのならこういう「損失だけは社会主義」という体質に重点を置くべきではなかろうか。

2011年9月30日金曜日

長期的な金融緩和は悪

リフレーションだとかなんとか騒いでいた人たちは元気なのかな? 確か「金を市中にジャブジャブにすればインフレ期待でみんな金を使うようになるし銀行は金を貸さざるを得ない」とかいうような理屈だったと記憶しているが現実には全くそんなことにはなっていないわけで。

で、本日のWSJにはFedの量的緩和政策を批判する記事が掲載されていた。

WSJ: Where Are the Bond Vigilantes?

以下、例によって適当な要約。

かつては米国国債は政策に機敏に反応して、政府の野放図な歳出を抑える仕組みになっていたのだそうな。クリントン時代に医療保険制度改革が提案されると長期国債の金利は急上昇。(10Yで8%!) 結果、クリントンは保険制度改革を断念する。そして、福祉関係の歳出に上限を設ける政策が決まると、反対に金利は下落。これがクリントン時代後半の景気拡大を後押しした、と。

時は流れて2010年。オバマ政権が(財政上かなり問題ある)医療保険制度改革を提案しても長期金利はさほど上昇せず。国債金利が政策に反応しなくなっている。この理由は米国国債の民間保有率が下がり、各国中銀やFedの保有分が増えているから。他国の中銀は米国国債の金利よりも自国通貨が対米ドルで上昇するのを嫌い、ドルを買うことになる。結果として、低金利の国債も引き受けざるを得ない、と。

特に新興国ではこうしたホットマネーの流入とコモディティ価格上昇でバブル状態になっていたのが、この二ヶ月間のドル高・コモディティ価格下落で明らかになったわけで。そしてその原因はやっぱりFedの超金融緩和に帰結する、と。

記事ではさらに長期的緩和政策のもたらす害悪を3つ挙げている。

  • 景気後退時の経済刺激ができなくなる。かつては金融緩和は「一時的」と決まっていた。だからこそFedが金利を下げると企業は一斉にその利益を得るべく一斉に借入をしたり、投資をしたりしたわけだが、万年低金利で張り付いたままだとそのような行動を取らなくなる。
  • 2つ目は日本でも見られた貸し渋り・資金ブタ積み。これは特に中小企業を直撃し、雇用が回復しない要因になっている。
  • 確定給付型年金システムの崩壊。カリフォルニア州年金は7.5%でブレークイーブン。国債金利が大幅に下がると他の高リスク手段で運用せざるを得ない。
大新聞でも金融緩和政策を批判する記事がでてくるようになったというのは、何か潮目が変わる前兆なのかな。

売れないハイブリッド車

日本はどうだかしらないが、米国ではハイブリッド車の人気に陰りが出てきている、というお話。→CNN: Hybrid car sales: Lots of options, few takers


  • 米国新車市場におけるハイブリッド車の占有率は2008年の2.4%を峠にしてその後下落。現在は2.1%
  • そのうちざっと半分はトヨタ・プリウス。1%。
  • 米国のハイブリッド車は2009年に17種類。現在は30種類。
  • つまり、プリウスをのぞいた1%の中に29車種がひしめきあうという超ニッチ市場。
  • 売れない理由は簡単で「経済的に損する」から。
  • 例えばFordのハイブリッドFusionは、通常エンジン搭載に比べて5000ドル高い。(各種値引後比較)
  • だが、もともと燃費がそれほど悪くないFusionで$5000分のガソリンを節約するのはそう簡単ではない。何年もかかる。
  • そして小型車はハイブリッドでなくてもガロン40マイル(リッター16km)走るのが珍しくない。しかもこれらの小型車は安い。
  • ということもあって、ハイブリッドを買わずに小型車に逃げている層がいる、ということ。
まあ、あれだ。「グリーンなんとか」ってのは金持ちの道楽でしかないんだよ。

2011年9月28日水曜日

ギリシャのせいにするな!

MarketwatchのStop blaming Greece!という記事にはちょっと考えさせられた。

8月からの株価下落で米国の株式市場総額は約2.5兆ドルの価値を失ったそうだが、なんでそれが「3930億ドルしかない」ギリシャの債務が引き金になった、と言えるのか? 

という指摘。もちろん、ギリシャが全く無関係ということはないだろう。でも、これだけの下落をギリシャだけのせいにするのは変なんじゃないの? という指摘。

だとすれば。相場は欧州の動向で一喜一憂しているのではなく、別の理由で動いているということになる。それがなんだかはわからんけどさ。