これに対し米国主要メディアは「非人道的」「トランプ許すまじ」という論調で批判し、呼応する形で市民団体も騒いでいます。共和党の一部ですら「DACA廃止を見直すよう」トランプ大統領に進言したくらいです。
でも現実のところトランプ大統領はそんなに悪いことをしているのでしょうか?
National Review誌の上級編集委員Ramesh Ponnuru氏が割と鋭い指摘を公開していました。To End DACA, Follow the Constitutionという題名の記事です。「DACAを終焉させるために憲法を順守せよ」とでも訳せましょうか。
Ponnuru氏の指摘は明快で、オバマ大統領が発令したDACAは「大統領の権限を逸脱した違憲な措置」と断じています。もちろんオバマ大統領は「DACAを議会で承認してね」と議会に法案作成を依頼したわけですが、共和党の反対により法案は通りませんでした。それを跳ねのけて大統領令としてDACAが始まった経緯があります。共和党が支配している州はDACAを違憲として裁判を起こし、判断は連邦最高裁まで持ち越されて時間切れという状態です。
トランプが本当に無慈悲な独裁者ならオバマ同様の大統領権限で即日DACAを廃止し、米国滞在権利を失った子供たちを即日「母国」に送り返すこともできたはずです。だが実際にはそんなことはせず、一定の猶予期間を設けた上で「議会に代替案を作成するよう」指示を出したわけです。彼のやったことはオバマ大統領が残した違憲状態の解消であり、あとは民主主義に委ねられたわけであります。
と、ここまで書いたところで良いTweetが流れてきたので貼っておきます。
DACA廃止に反対するデモ行進をしてる人たちは天に向かって唾を吐いてることを自覚するべきでしょう。DACAの廃止で80万人の人生が大きく変わってしまうどうしてくれるんだ、と言っている人はオバマが2012年に議会の承認なしに逆方向の重大な大統領令を出したことをどう思っているのか。— にゃほ (@Temp002a) 2017年9月8日
自分の好む方法への変化は独裁的に進めても良いという考えなら、独裁を肯定しているだけでは。
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