2011年10月26日水曜日

大衆迎合主義の大統領 vs 辛口な自由主義候補

Occupy Wall Streetで始まった金融機関への抗議行動は、「教育費が高い」という形でオバマ政権への批判にもつながっている。その火の粉を振り払うためなのか、オバマ大統領は「学費ローン返済救済案」を持ちだしてきた。実は下記のような救済案は既に下院を通過している:

  • 返済額上限を、収入の15%とする
  • 返済開始後25年経過したら、返済残はチャラとなる
  • この救済案は2014年より導入される
この度明らかになったオバマ大統領案は↓:

  • 返済額上限を、収入の10%とする
  • 返済開始後20年経過したら、返済残はチャラとなる
  • この救済案は2012年より導入される
大盤振る舞いもさることながら、「2012年から」というのがいかにも次期大統領選挙を意識しまくり。


仮にこんな救済案が現実になれば...

  • 学費ローンを借りる側は真面目に返済することを考えなくなる
  • すなわち、学費が値上げされても「借りればいい」と思うようになる
  • 大学側はそこにつけこんでどんどん学費を上げる
  • やがて返済免除額が積み上がってこの仕組みは破綻する
  • ツケは将来の納税者に


もちろん、この案がそのまま法律になるわけではない。大統領は法律を作れないから、この案を元に法律を作ってください、と議会に頼む必要がある。その議会はあちこちで共和党が邪魔するから、そう簡単には可決されないだろう。

とはいうものの、人気取りのためにこんなクズ政策を持ち出すようではオバマ大統領ももうダメなのではなかろうか。

一方で...共和党で大統領選出馬表明をしてるロン・ポール氏は一味違う対案を出してきている。実に単純で

  • 連邦政府による奨学ローンなどやめてしまえ
というもの。上にも書いたように「低金利で資金を貸すから大学が学費を上げやすくなる」わけである。これは住宅におけるサブプライムローンと同じ構造だ。ならばそう簡単にみんなが大学に行けないようにすればよい。そうすれば大学は少なくなった学生を呼び込むために学費を下げる等の工夫をせざるを得ない。競争原理だ。

そのロン・ポール氏の学歴は:

  • ペンシルバニア州のGettysburg College(単科大学)を卒業
  • 一旦、就職
  • Duke University School of Medicineで薬学の学位を取得

となっている。当時は政府の就学ローンなどなかったので学費を稼ぐために一旦働かざるを得なかった。だが、学費もそれほど高くはなかったので、働けばなんとかなった、ということ。

参考にした記事:

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