2011年10月6日木曜日

Wall Streetに抗議するなら...

ウォール街占領デモは日本でも報道されているはずだけど、その参加者が語っている「抗議」の中には

  • 就学ローンを借りて大学出たのに仕事が無い。
  • 就学ローンを借りて大学出たのに負債返せるような給料の仕事につけない。
  • 高校ドロップアウトした17歳シングルマザーだけど仕事が無い。
みたいな、「それ、ウォール街じゃなくておまえの判断が悪いだけやろ」みたいなのが結構混じっていて、そういうのをテレビで取り上げるたびに「なんだかなー」という白けた気分になってしまう。お茶会のデモと大して変わらんじゃろこれじゃ。

納税者なら、こんな話に抗議するべきではないだろうか。→House of Cronies: Is Freddie Mac Incompetent or Corrupt?


  • CountryWideがFreddie Macに売ったモーゲージ債の多くが不良化した。
  • Freddieは不良率の高いモーゲージ債によって生じた損害を発行元に請求できる。
  • 結果、CountryWideを吸収合併したバンカメが損害分をかぶるになったのだが...
But proving that hundreds of thousands of loans were defective was a lot of work. Freddie only reviewed some of them, relying on a poor methodology that dramatically underestimated the number of defective mortgages. This increased losses to Freddie Mac -- losses that will eventually fall to Treasury and taxpayers.


→そのモーゲージ債を構成する78万件という住宅ローンを精査するのは負荷がかかるので「抜き取り検査で」買取請求価格を算定することになった。

  • CountryWide発行のローンの多くは返済開始後3-5年目で破綻確率が最高になる。
  • だが、Freddie Macが抜き取り検査したのは二年目以内が中心。
  • 結果、見かけ上の不良率が低下。損失見通しも下がったため、バンカメの支払額は低く抑えられた。
全件検査しなくても、適切な抜き取り検査をしていたらFreddie Macの回収分は数十億ドル増えたはずだ、ということがその後の監査で発覚している。その分、財務省=納税者にツケが回ったわけである。

この検査の偏りがなぜ生じたのかは不明だが、ウォール街を叩くのならこういう「損失だけは社会主義」という体質に重点を置くべきではなかろうか。

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