2017年8月8日火曜日

Googleさんの例の件

まずお断りしておきますが、ソフトウェア開発を始めとする知的創造作業における能力が性別や性癖で決まることは決してない、と私は信じております。すご~くできる奴はすご~くできる。そうじゃない人達は自分も含めて正規分布っぽく存在している。そんだけ。

従いまして、今回Googleをクビになった例の社員の解雇理由が「女性のステレオタイプ化」というのは、まあしょうがないかな、と。女性だからソフトウェア開発できない、という命題は「偽」なわけですから。

一方で、議論の元となった「Diversity」の話は強いチーム育成を考える人達にとっては脅威となりうるのでここにメモを残しておきたいと思いました。

Googleのことですから、チーム強化の際にBest of the Bestを集めるということはそれほど珍しくはないでしょう。それは私たち多くのように平均値±1σに収まるような人たちではなく、+2σとか+3σとかのレアな能力の持ち主です。

極論すれば「ある分野で文句なしにトップの人材を一人」探している場合、そのポジションは男性一人か女性一人となります。トランスジェンダーかもしれないしそうじゃないかもしれない。人種的にも一種類。ストレートかもしれないしゲイかもしれないしバイかもしれない。チームが小規模になればなるほど、そのチーム構成は世間のDiversityから乖離する可能性は高くなります。

そしてそのような小規模採用をチーム単位で繰り返していく結果、会社全体のDiversityが世間一般とかけ離れることも当然あり得ます。

それはまずいと経営層が騒ぎ出し、チームでの採用に口を出すというのがDiversity重視経営の怖いところです。「3人の枠全員がインド人男性だと? それはまずい。 一人か二人は女性にしろ。できれば黒人かヒスパニックで。LGBTならなおうれしい。」みたいな干渉が発生し、結果トップクラスからはちょっと距離がある人たちが採用されるようなことになったら、チームの価値は揺らいできます。

繰り返し強調しておきますが私は別に黒人やヒスパニックがインド人より劣っているといってるわけではないです。男性が女性より優れてるとも思いません。でもトップ3人を探していたら、集まった全員がたまたまインド人男性だった、なんていう可能性は排除できない。それだけの話です。そこに民族性や性癖の話を持ち込むのはトップを目指す集団なら「やってはいけない」オペレーションだと私は考えます。



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