先日とあるところで「アメリカにおけるAgile開発ってどれくらい浸透しているの? ペアプログラミングとか本当にやってるの? 一人で設計から開発からテストまでこなすって本当?」等などの質問を受けたのでちょっと調べてみました。
これはバンクオブアメリカの求人広告で、勤務先はニュージャージー州。Pegaを使ったワークフロー処理関係の開発と思われますが
- ユーザーと共に要求定義の見直しを行い
- スケールする高品質のシステムの設計と開発を行い
- 品質保証や受け入れテストにおいてユーザの支援を行い
- 5年以上の.NETもしくは他のオブジェクト指向言語の開発経験があり
- Pega Roboticsでのワークフロー自動化開発経験があり
- マイクロソフトOfficeのオートメーション開発の経験があり
- オブジェクト指向設計パターンのしっかりした知識があり
- 再利用性、テストのしやすさ、スケールしやすさ、保守のしやすさなどを考慮したアーキテクチャを実現できる能力があり
- モデリングツールを使いこなせて
- TDD/BDD、リファクタリング、テスト自動化フレームワーク、継続的統合、継続的デリバリの経験があり
- Gitなどを使ったリリースマネージメントの経験があり
- ペアプロや日々のスタンドアップミーティングなど、Agile開発に明るく
- これまで働いてきた分野での問題領域に関する知識を持っていて
- できれば...
- Functional Programmingの経験があり
- 分散システム開発の経験があり
- Angularなどを使ったWebフレームワークでの開発経験や、RESTfulサーバの開発経験があり
- 銀行系システムの経験があることが望ましい
こういう技術者をバンカメクラスの金融機関が直接雇用してバリバリ開発を進めてしまう、というのが米国のIT現場の姿の一端でしょうね。SI業者へのアウトソースも存在しますが、開発速度や柔軟性が求められる分野は圧倒的に内製なんですね。
ちなみに気になる給料ですがこれはGlassdoorから参考値を探せます。
おそらく初年度は10万ドルくらいではないかと。間接コストを含めるとバンカメ側の予算はこの二倍かそれ以上かかっているのではないかと思われますが、それでも総合的に見れば「安い」からバンカメはアウトソースしないのでしょう。
1999年公開の映画「Office Space」では米国にもシステムインテグレータ的な会社が残っていました。要求定義する人と開発する人とテストする人は別だった時代。
あれから15年ちょっと経過。
アメリカのIT産業は様変わりしたと言って良いでしょう。
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