2011年7月30日土曜日

債務上限論争に思う

米国の債務上限を早急に見なおさないと米国国債が債務不履行(デフォルト)する!!なんていう騒ぎが日々報道されているけど、自分は「そう簡単にデフォルトなんかするわけねーだろ」という考え。

そりゃ8月に予定されている各種支払いの資金手当手段が国債発行以外にない、というのなら話は別だが、実際には売出できる資産は色々あるわけで。

その候補の一つは学資ローンの債権。Mishが4月に取り上げたけど、総額は1兆ドルを超えている。しかも、クレジットカードローン等と違って、借手が破産手続をとっても学資ローンの債務は免除されない。なので、債権の質としては悪くない。買い叩きはあるだろうけど、学資ローン債権を売るだけでも当面の資金難は回避できそうなんだよね。

むしろ懸念されるのは「債務上限を引き上げないと、経済成長が難しくなる」というオバマ政権の主張。旧ブログで昨年取り上げたとおり、米国経済の成長は借入に依存する部分が大きい。そして、その借入効果(ΔGDP/ΔDebt)はどんどん小さくなっている。借入に頼っていると、やがては利払いのためだけに新規借入分が消えてしまい、成長に寄与しなくなるからだ。

上の図はNATHAN'S ECONOMIC EDGEから引用したもの。このまま行けば、2015年あたりで借入増加が成長に寄与しなくなることが予想される。その先には新規借入より利払いが増えるという状態が待っている。この状態が始まって、初めて「デフォルト」という行動の可能性がでてくるわけで。

政府や議会が本当にやらなければいけないことは、上の図の曲線が右上がりになるようにすること。すなわち、借入総額を減らしていくことなのだが...「歳出削減は認めません!(キリッ」という民主と「増税は認めません!(キリッ」という共和しか選択肢がない時点でもう詰んでいるようにも思える。バカの一つ覚えみたいに債務上限引き上げに反対しているお茶会(Tea Party)のバカ連中のほうが当面は正しい、という冗談としか思えない国。

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