2011年9月27日火曜日

金利を下げても意味が無い

この春、米国債市場に調整が入り住宅ローン金利が上昇しかかった時期に家を購入することを検討した。金利が上がればその分住宅価格は下落する。月々の支払はさほど変わらないが、高金利で借りておけば将来再び金利が下落した時に含み益を借り換えで現金化できる。(が、これ以上下がりようのない低金利で借りたら、借り換えることはできない)

が、その後は御存知の通り米国国債相場は「格下げ」を受けつつも上昇。金利は下落。そして10年債とほぼ連動すると言われる30年固定金利住宅ローンの利率は史上最低の領域に。

LAT: Mortgage rates drop to once unthinkable lows at less than 4%

→先週あたりは、充分な含み益を持っている借手なら3.75%に借り換えることもできたらしい。新規購入30年は4.09%で、これは1950年頃つけた史上最低値4.08%に肉薄する数字。

だが、ここまで金利を下げても新規購入・借換ともにあまり需要は増えていないという。理由は簡単で

  • 含み損を抱えている場合はそもそも借り換えできない
  • 含み益があったとしても、その多くは4.5%台で借り換えしてしまっている
さらに、貸倒れリスクを下げるために「新規購入なら頭金20%」「借換えなら充分な含み益&延滞なし」という条件が求められる。そんな条件を満たせる人はそうたくさんいない。

そ れ で も 借 り ろ ! というわけで、オバマ政権はこんなことも考えているらしい。
Mindful of that fact, the Obama administration is trying to encourage greater use of a program that allows borrowers with loans backed by Freddie Mac and Fannie Mae to refinance up to 125% of their home's value. The borrowers must have kept payments current on the underwater loans to qualify.
→含み損を抱えている借り手でも、延滞していなければ評価額の1.25倍まで借り換えできますよ、ということ。要は担保不足でも貸しますよ、ということだが、それでも借手は躊躇する。問題は金利の高さではなく、長期的に雇用が守られるかどうか不安だから。

ここまで緩和してもこの程度の景気なわけだから、この先金利が上がったときにどうなるか? それを考えると、住宅のようなでかい買い物を敬遠するのも当然であろう。それでも金融緩和すればなんとかなる、というノーベル経済学脳は爆発しろ。

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