2011年6月5日日曜日

移民政策見直しの影響

ということで共和党保守派から日々攻撃を受けているオバマ政権なわけだが、「緊縮財政」「移民政策見直し」はどうやら既定路線となりつつあるらしい。だが、これらの政策が現実に実行に移されるとどういう影響があるかは中々興味深い。

California Farm Bureau Federation: Meetings focus on budget and immigration policy
→連邦予算削減と移民政策見直しがカリフォルニア農業にどのような影響を与えるかを分析。ここでは移民政策の部分から要点だけまとめる。

移民政策見直しは「不法移民が米国民の職を奪っている」という保守派の主張が背景にあり、外国人を雇用する際にその正当性を電子証明書(E-Verify)で確認する義務が雇用側に課せられる。するとどうなるか?

Dirk Giannini, a vegetable grower and president of the Monterey County Farm Bureau, expressed concern with pending legislation that would make mandatory the voluntary E-Verify program. That, coupled with an ineffective H-2A guestworker program that doesn't work for California, would result in serious problems, he said.


タテマエではH-2Aという農業ビザを取得した外国人だけが農場で働けることになっているが、上記の農場主が示唆するように「カリフォルニアの農業は不法移民に頼っている」のが現実なのである。そこに不法移民排除を行ったらどうなるか?
"Immigration reform is in a serious crisis right now in Arizona and California, with a tight labor force and others that cannot legally migrate to California to work," Giannini said. "In each meeting I participated in, I was able to convey that we've got to come up with a program to secure workers and if we do nothing or if just come out of here with E-Verify, we're going to fail."
悲しい話だが、不法移民は安い賃金で長時間働く。彼らがいるから、我々は廉価な野菜や果物を手に入れられると思って良い。仮に保守派の主張通りに不法移民を農場から一掃したとして、代わりに誰が働くというのだろう。職がないと困っているアメリカ人と言えども、過酷で低賃金な農場で長時間働くだろうか。結局のところ、上の引用にあるように、カリフォルニアの農業全体が失速するのでは。

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