2011年5月4日水曜日

雇用体系、労働者の権利、業界の成長...

(諸般の事情により書きなおし)

今回のシアトル訪問はクラウド関係者の集まりへの参加が目的。昨日は準備運動で、今日から本番。

そのクラウド提供事業者の人達と話していて改めて思い出したのは、

  • 比較的新しい事業にも関わらず、事業面・技術面それぞれで「プロフェッショナル」を揃えている。
  • 各自、自分の守備範囲が明確で、その範囲内ではかなりの裁量を任されている。つまり判断から執行までが早い。
  • 人事採用権限は各部門の長がもっている。
等々。

「こういう人材が欲しい!」という要望を各部門は明確に描けるし、それに適合した人を自分たちで探せるというのは素晴らしい。人事部という間接部門(しかも技術や事業の専門家集団とは言えない)を挟まなくていいわけだ。結果として

  • 新規事業を立ち上げる助走期間が減る=機会損失回避
  • その事業に不適合な採用を減らせる=利益率向上
という効果が得られる。反面、成果をあげられなかった人はあっさりと解雇されるかもしれない。また、事業がうまくいかなかったらその部門まるごと畳まれる可能性もある。

そして雇用をささえる仕組みを企業側が持たないというところがミソなわけで。採用したけど仕事に不適合だから別部門に移動してもらってなんだかよく分からない仕事を与えて給与を払い続けるなんてことはない。要は実力に見合った仕事さがして頑張れ、と。

当然、終身雇用なんてのは有り得ないし、大卒即正式採用なんてのは珍しい話になる。若いうちは、トレーニーや下積み前提の雇用で働くことが前提となるかもしれない。結果として、学生からは「不人気業界」という烙印を押される事になる。

だがドットコムバブルの頃のような「売り手市場の雇用」というのは、実力に見合わない給与の人達を業界全体が大量に抱えることになりかねないわけで。実際そのとおりになってしまったので、業界全体がインドなどへのオフショア移転を推進したという面はあるだろう。

でも、そういう「自浄作用」が機能するというのは、米国のソフトウェア業界がまだ健全であることを示しているということでもある。



私が働いているコンピュータ業界は、個人の能力が重視される。学歴は二の次だ。これこそ、コンピュータ業界が常に革新的で、進化を続ける原動力であろう。窮屈な官僚主義も利権主義のゴマすり連中も、コンピュータ業界の創造性や破壊的想像力を浸食するには至っていない。今のところは、ね。
まさにこの記述のとおりなんだな、と。

2 件のコメント:

  1. もしお時間があればご連絡ください。又、お会いしたいと思ていました。
    オオタニ

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  2. オオタニさん、プロファイル表示されないですよ〜

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