2011年5月1日日曜日

折り返し点に近付いている米国経済

アパート隣にあるガソリンスタンドの価格を記録しているが、2月から三ヶ月弱で$3.5→$4.4程度まで値上がりした。ざっと25%の上昇。自分は自転車通勤が多いのであまり気にならないが、平均的なアメリカ人は一日100分自動車を運転する。乱暴だが、40Mileの移動としよう。

月あたりのガソリン消費量は

  • 30MPG走る車だと、40ガロン
  • 20MPG走る車だと、60ガロン
  • 15MPG走る車だと、80ガロン
月々のガソリン代は、$3.5/ガロンの場合

  • 30MPG走る車だと、$140
  • 20MPG走る車だと、$210
  • 15MPG走る車だと、$280
これが、仮に$4.5/ガロンになると

  • 30MPG走る車だと、$180
  • 20MPG走る車だと、$270
  • 15MPG走る車だと、$360
JointVentureの資料(PDF)によれば、シリコンバレーの世帯あたり収入中間値は$75,000。上記$4.5/ガロンの出費が収入に占める割合は


  • 30MPG走る車...2.9%
  • 20MPG走る車...4.3%
  • 15MPG走る車...5.8%
なぜこんな比較をしているかというと、こんな資料を見つけたから。

エネルギー関係の出費が収入の6%を越えると、景気後退に突入するらしい。前述の計算は粗い前提+平均と中間がごっちゃという乱暴なものだが、低所得層は既に6%の壁を越えている場合もあろう。当然、他の消費を抑えるしかない。ちなみにファーストフードレストランではポテトフライの売上が落ちているなんていう話もある。安い食事食べに行って、さらに出費を削ってるということ。

そして紹介したCracks in the Pyramid Are Beginning to ShowにはWal Martの話もでている。

And right now, Wal-Mart CEO Mike Duke has an alarming message: His customers are running out of money.
Duke believes prices at the pump are a big factor. "We're seeing core consumers under a lot of pressure," he said in New York. "There's no doubt that rising fuel prices are having an impact."
"Purchases are really dropping off by the end of the month even more than last year," the Wal-Mart CEO added. "This end-of-month cycle is growing to be a concern."
安売り店のWalMartに頼る層は、給料が出た直後(=たいてい月初)に一斉に買いだめする傾向が強いので、WalMartの売上は月後半にかけて落ちていく。今年はその傾向が去年より強いというのだ。明らかにガソリン高騰の影響をうけている、とWalMart側は考えているようだ。

米国は株高だから大丈夫という見方もあるかもしれない。だが...
This is a combo that works well for the upper regions of U.S. economic society -- the top 30%. The "wealth effect" so cherished by the Federal Reserve, in which Americans feel better about the value of their paper assets going up, requires owning a good chunk of paper assets in the first place.
株価上昇の恩恵に預かれるのは、豊かな30%の人達。残りの70%は株式を保有していないのだから、株がどうなろうとそれほど嬉しくはないのだ。

これ以上ガソリン価格が上がると、米国経済は急激な腰折れはもちろん、再び景気後退に陥る可能性もあるのでは。

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