2011年8月22日月曜日

TARPって何だったの?

今日は銀行株が下がり、バンカメは$6.42と年初来安値。これは2009年初頭と同じ水準。
バンカメ以外の銀行株も下げている。下図は$BKX銀行指数にTARP, QE1, QE2実施時期を重ねたもの。
2009年3月にFedがQEの規模を1.75兆ドルまで広げたのはさすがに「効いた」ように見えるが、今の$BKXはTARP開始時はもちろん、QE1/QE2開始時の水準より下にいる。

WSJ 2011年1月27日記事より引用:
米財務省は26日、金融大手シティグループの新株引受権(ワラント)合計約4億6511万ワラント売却の結果、正味3億1220万ドル(約256億円)の利益を計上する見通しになったと発表した。ワラント売却は30日に完了する予定で、公的資金注入策「不良資産救済計画(TARP)」を通じて得たシティ株・ワラントの残存処分が終了する。
TARPは税金を使った投資だったので、株価が好転すれば納税者は利益を得られる、という話も確かにあった。実際、上記記事のようにCitiについては納税者は利益を得たように見えたが...
やはりTARPで支援を受けて「再生」したはずのGMも株価が急落している。本日は$21.71で取引を終えた。
http://twitter.com/#!/asymmetricinfo/status/105785100326805504
仮にGM株価がこの水準のままになると、政府保有分のGM株は含み損を抱えたままになる。その額120億ドル。Citi支援で得られた3億ドルは軽くすっ飛ぶ。株価が戻らない限り、TARPのツケは納税者に回ってくるのだ。

Minyanville 2008年9月22日記事より引用
TAF, TSLF, SuperSIV, TARP, none of that matters. No matter what acronym is created to disguise the fact that assets are overpriced, or what government intervention is created to prop up those asset prices, the market will inevitably overpower it. This time is not different. In fact, it is continuing to play out almost exactly as the Great Depression did. The bottom line is that despite the proposed bailout, whatever form it may take, risk in owning stocks has increased, not decreased.

「TAF、TSLF、SuperSIV、TARP... どのようにアルファベットを並べようが、政府がどのように介入しようが、資産価格が過剰に評価されていたという事実は変えようがない。やがては市場が介入に打ち勝つであろう。大恐慌と同じような展開が待っているはずだ。」

TARPってのは結局のところ、問題の先送りでしかなかったのかもしれない。しかも壮大に税金を使っての話だ。

確実に言えるのは、米国の借金とオバマの白髪が増えた、ということだけか。

0 件のコメント:

コメントを投稿